この記事はバンドワゴン効果について書かれた記事です。
書籍「デイトレード」中で紹介されていたバンドワゴン効果のお話を抜粋して紹介します。
トレードの世界で生き残っていくために重要な内容です。最後まで読んでいってください。
バンドワゴン効果とは?
バンドワゴン効果とはどのような効果のことを指すのでしょうか?検索してみると以下のような説明がされていました。
バンドワゴン効果とは、「時流に乗っている側」「政党や主義などで人気のある側」だと人々に認識されることによって、さらに人が集まったり、人気や支持が加速する状況が作り出されることを意味します。 バンド(band)とは、楽団/音楽を演奏する団隊 という意味です。
引用:かんでんCSフォーラム
人が人を呼び人気を加速していく状況、それがバンドワゴン効果です。
この効果が株式投資のマーケットにも現れ、そして最終的には恐ろしい結末を巻き起こすという非常に興味深い話を紹介していきます。
マーケットにおけるバンドワゴン効果
この記事の結論は、盛り上がりを見せている株にいつ乗っかるかで天と地の差が生まれるということ。マーケットの中で勝者になりたいのであれば最初の段階で乗っていることが重要であるということです。
この物語に登場するバンドワゴンを個別株のある銘柄の一つだと思いながら読んでいくと話が理解しやすいかと思います。
以下が本書で紹介されていたバンドワゴン効果についてのお話になります。情景を思い浮かべながら読み進めてみてください。
賑やかなバンドワゴン
バンドワゴン(楽隊車)が賑やかに進んでいく様子を思う浮かべてほしい。耳に心地よい音楽がバンドワゴンのスピーカーから流れてきてはいるが、バンドワゴンの後ろについて思う存分楽しんで盛り上がっているのはごく少数の人々である。音楽は大きな音で鮮明に鳴り響き、沿道にいる傍観者たちを次第に引きつけて行く。こうした傍観者たちは甘い音楽に抗することができず、盛り上がっているように見えるパーティーに飛び込んで行く。
引用:デイトレード
バンドワゴン=ある銘柄に最初に乗っているのはごく少数の人間。そしてその盛り上がりが目立ってくるとそこに乗っかる人が徐々に増えていく。。
止まるバンドワゴン
傍観者たちが次々とバンドワゴンの後ろに参加していく中で、当初パーティーの始まりを楽しんでいた人々は離れていく。後からパーティーに参加している人々が増えてくるにしたがって、バンドワゴンは同じペースで前に進むことが困難になってくる。バンドワゴンの進行速度は徐々に遅くなり、陽気な騒ぎを見物していた傍観者のさらなる参加を可能にする。群衆はさらに大きくなる。酔っぱらった群衆に囲まれてバンドワゴンが完全に停止する。バンドワゴンが動かなくなると、さらに群衆が膨らんでいく。それも当然である。この時点でパーティーに参加することは極めて容易である。パーティーに加わろうとする人々はもはやバンドワゴンに飛び乗る必要もなく、何の苦労もしない。
引用:デイトレード
盛り上がりが過熱してくると最初に参入していた人たちは姿を消していく。(利益確定)
参入者が増えていくと次第にバンドワゴンの進行速度が遅くなる=上値が重くなってくる。にもかかわらず参入者はどんどん増えていく。株価が横ばいなのにもかかわらずどんどん増えていく。信用取引で乗っかる人間なんかも増えていく。。
そして異変が生じる
しかし、バンドワゴンの本分は前に進むことである。停止いているバンドワゴンは不自然なものであり、したがって、その状態は長続きするものではない。バンドワゴンは前に進もうとするが、進むことができない。バンドワゴンの後ろに裏がる群衆の数があまりにも多すぎる。バンドワゴンは何とかこの重荷を振り払わなければならない。そう、バンドワゴンはバックし、数人をなぎ倒すのである。音楽が鳴り止む。群衆の中に困惑した顔が見える。何が起こっているのかが分からぬうちに、再びバンドワゴンは先ほどよりも乱暴にバックする。さらに多くの人々が放り出される。そして、現実が目の当たりになる。
引用:デイトレード
株価の理想は右肩上がりだが、この段階で異変が生じる。群衆の数が多すぎる=株価の上がりすぎには調整が必要になってくる。上がりすぎた株価は下落を迎える。ホルダーたちは困惑を見せる。おどおどしている間にもどんどん株価は下がる。下がり続けるのだ。
饗宴から悪夢へ、そしてパニック
突如として饗宴は悪夢に変わり、パニックが生じる。あるものはバンドワゴンから飛び降りて死んでしまう。さらにバンドワゴンがバックすると、酔っ払って足許のおぼつかない人々が地面に投げつけられる。この時点で、わずかな、熱狂的なバンドワゴンのファンのみがつかまっている。彼らの命は非常に細い糸にかかっている。完全に自由になることができないまま、バンドワゴンはアクセルを全開にする。この最後のバックはあまりにも荒々しく、最後までバンドワゴンにしがみついていた人々は振り落とされ、地面にたたきつけれれ重傷を負ってしまう。
引用:デイトレード
上がり続けていた株は下がり続ける株へと凶変する。損に耐えられずに売りを決断する人、信用買いで売るしかなくなり手放す人、そんな人たちの売りが重なり下落がさらに加速する。それでも売れない人の損失はどんどんかさんでいくのである。。
新たな傍観者現る
この時点で、新たな傍観者の一群がどこからともなく現れる。彼らは酔っぱらっておらず、平静である。彼らの一挙手一投足は、今しがたの惨劇にかかわっていなかったためか、力強く、はっきりとしたものである。彼らは誰なのか。その新しく見える一軍は決して新しい顔ぶれなのではなかった。その一軍はパーティーが荒れ狂う前に静かにその場を離れていった人々だったのである。倒れている傍観者たちは、さらに衝撃的な事実を知る。彼らはパーティーの最初のころに参加していただけではなく、パーティーを始めた人々であったのである。「何ということだ」と誰かが叫ぶ。振り落とされ、自由に動くこともままならない人々は、ゲームの達人が再び仕事に取り掛かるのをただただ眺めるばかりである。
引用:デイトレード
目も当てられないくらいに損失が拡大した状態=過熱感があるときに購入したものたちのほとんどが退場した状態の時に、新たな傍観者(最初のうまみだけを取って利確をしていたごく少数の人たち)が市場に再び参加してくるのである。
終わりなき循環
これらのプロの一群はバンドワゴンに向かって駆け出していく。一瞬のうちに彼らはバンドワゴンに飛び乗る。あまりにも簡単なことである。群衆を振り払ったバンドワゴンは、自由に優雅に心地よく前進することができる。その速度は徐々に加速し、すぐにスムーズなペースを取り戻すのである。誰にも邪魔されずに数マイルを走ると、これらの達人の中の誰かがスイッチを入れる。すると、再び楽しげな音楽が大音量で流れ出すのである。誰かが「さあ、やるぞ。また奴らがやって来るぞ。もう1回やってやろう」と叫ぶ。間もなく、先ほどの惨劇の被害者たちが再び興味を持ち始める。音楽は墓場へと彼らを招いているようである。そして、終わりのない循環が再び始まるのである。
引用:デイトレード
そうすると軽くなったバンドワゴン=株価は再び上昇を始める。またしても最初に乗れた人がうまみを取るのである。それを見ていた大多数の人間が再び羨ましそうにそれに乗っかろうとする。そう、再びあの光景が繰り返されることとなるのだ。。
おわりに
最後までご覧いただきありがとうございました。以上がマーケットにおけるバンドワゴン効果の内容になります。そして以下本書に書いてあった、このバンドワゴン効果のお話における総括になります。
この寓話のアナロジーを全て理解することができれば、本書の値段の数倍は価値がある。そのメッセージを聞き、そのメタファーに隠された真の知恵を理解できたならば、より深い洞察を得て、達人の域に近づくことができる。一言一句を読む砕くことによって、マーケットの機能に関する深い洞察、そして、いかにウォール街の賢人たちが利益を操作しているかが理解できるだろう。先に述べたように、本書の目的は大集団の中の初心者を少数の成功者へと変身させることである。その変身を遂げることができなければ、持てる者たちに弄ばれる玩具となるだけである。そして、ゲームを続ける意欲を失い、持てる者たちに奉仕できなくなれば、彼らにより破産させられ、排除させられ、失意に打ちのめされるのである。そんなことをわが身の上に生じさせてはならない。トレーディングというゲームに関する審理は今しがた説明したバンドワゴン理論に含まれている。もう1回、読んでみてほしい。
引用:デイトレード
トレードを行ったことがある人には、バンドワゴンから投げ飛ばされる人々の気持ちが痛いほどわかることかと思います。群がる群衆の一部となるのではなく、早々に撤退して再び現れる少数の勝者側になりたいなと強く思いました。
この本「デイトレード」では今回紹介したお話以外にもトレードにおける大事なお話がたくさん書かれています。市場に残り続けるために、そして勝者となるために必要な心の持ちようを学ぶことができる良書です。
今回紹介したバンドワゴン効果の話以外にもまだまだ紹介したい話があるので、追って紹介出来たらなと思います。
そして最後に実際にバンドワゴン効果のような動きを見せた銘柄をいくつか紹介します。
これらはごく一例にはなりますが、急激に上昇した銘柄は急降下を始める可能性が非常に高いです。最初に波に乗れたごく少数の人間だけが利益を生み、あとから参入したものは下落時に振り落とされ致命傷を負うことになってしまうのです。
マーケットに踊らされるな。そしてパーティーを開け。
ではまた。
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