スイングトレードは、数日から数週間の株価変動を狙って利益を得る手法です。デイトレードほど頻繁な売買は不要ですが、ルールを守らなければ一度の判断ミスで大きな損失を抱えるリスクもあります。
今回は、スイングトレード初心者から中級者まで役立つ「やるべきこと」と「やってはいけないこと」そして実際の体験談やチャート例を交えて解説していきます。ぜひスイングトレードをやる際の参考にしてみてください。
スイングトレードでやるべきこと
それでは、スイングトレードでやるべきことから紹介していきます。やるべきことを正しく実践すれば勝率がグッと上がります。ぜひ参考にしてみてください。
上昇トレンドの銘柄を触る
スイングトレードでやるべきこと一つ目は、上昇トレンドの銘柄を触るです。
上昇トレンドの銘柄は株価が右肩上がりで推移しているため、順張りで乗りやすくなります。下落中の銘柄を逆張りで狙うよりも勝率が高くなる傾向にあると言われています。
また上昇トレンドは出来高の増加や買い勢力の強さによって継続することが多く、一度トレンドに乗ると数日~数週間のスイングトレードで大きく利益を伸ばせる可能性が広がります。
人間心理でつい下落中の銘柄を触りたくなってしまいがち、反発を勝手に想像して売買してしまいがちですが、そこをぐっとこらえて上昇トレンドの銘柄に乗っかることを意識してみましょう。それだけで勝率が大きく上がることを実感できるかもしれません。
出来高の大きい銘柄を触る
スイングトレードでやるべきこと二つ目は、出来高の大きい銘柄を触るです。
スイングトレードは数日から数週間の株価変動を狙って利益を得る手法です。そのため出来高が大きい銘柄を触ることで、流動性が高く売買がスムーズにできるといったメリットがあります。
出来高が多い銘柄は買い手と売り手が多いので希望する価格で注文が通りやすく、逆に出来高の少ない銘柄は、売りたいのに売れない・買いたいのに変えないといったリスクがあります。
また出来高の少ない銘柄では、大口投資家が少し注文を出すだけで株価が大きく動くことがあります。一方、出来高の多い銘柄は参加者が多いため、価格形成が安定していて実力に近い株価が付きやすいとも言われています。
短期中期的に利ザヤを取ろうとするトレードにおいて、流動性は重要です。せっかく株を買ったのに値動きがまったくない、これでは稼げません。
損切りは機械的に行う
スイングトレードでやるべきこと三つ目は、損切りは機械的に行うです。
人は損を認めたくない心理から、損失が出るともう少し戻るはずと考えがちです。しかしその間に株価はさらに下がり、損失が膨らむ危険性があります。
そこで機械的な損切りルールを設定し自動的に実行することでそういった感情を排除できます。
具体的には「何%下がったら損切りをする」「この抵抗線を下回ったら損切りをする」といったルールです。しかし我々人間はいざそこまで株価が下がっても自分の手で損切りを実行するのには抵抗を持つはずです。「いやもう少し持っておけば株価が戻るかも」なんて考えてしまうことでしょう。そして結果的にはさらにずるずると下落、そんなことが日常茶飯事です。
なのでそこでおすすめしたいのが「逆指値を使った機械的な損切り」です。
- 通常の指値注文→「〇円以下になったら買う」「〇円以上になったら売る」
- 逆指値注文→「●円以下になったら売る」「●円以上になったら買う」
逆指値を損切りに使う場合、例えば、1,000円で買った株を「950円になったら損切りする」と決めたとします。このとき逆指値を950円で売り注文に設定しておけば、株価が下がった瞬間に自動で売ってくれるので、損失拡大を防げるという訳です。
思った方向に動かなかったら売る
スイングトレードでやるべきこと四つ目は、思った方向に動かなかったら売るです。
思った方向に動かなかったら売るといったシンプルなルールこそが資金を守るために非常に大切になります。
どれだけ分析しても相場は予想通りに動かないことがあります。上がると思ったのに下がったときに持ち続けてしまうと、損失がどんどん膨らむ危険があります。
「いつか戻るかも」と期待して持ち続けるのは危険です。二つ目に似ていますが、ルールを決めて機械的に売却をすることで冷静なトレードを継続することを意識しましょう。
また損切りをして資金を守れば、次の有望な銘柄に乗り換えることもできます。チャンスを逃さないためにも「見切り売り」は必要になります。
スイングトレードでは「自分の予想が外れたらすぐに売る」ことが成功の秘訣。
一度に買い切らず分割して買う
スイングトレードでやるべきこと五つ目は、一度に買い切らず分割して買うです。
一度に買い切らないことで、思惑と逆に動いたときの損失を抑えることができます。複数回に分けて買うことでリスクを小さく分散できるのです。
株価が下がった時に追加で買えば取得単価を下げられますし、株価が上がったときは上昇トレンドを確認してから買い増すこともできます。一度に買い切らないことは資金管理の柔軟性に繋がります。
分割して購入する手法の一つに「ナンピン買い」がありますが、それとは違うものとして認識してほしいです。「損失を取り返すためのナンピンではなく、リスクを抑えるための計画的な分割購入」という考え方で取り入れてみてはいかがでしょうか。
スイングトレードでやってはいけないこと
続いて、スイングトレードでやってはいけないことを紹介します。やってはいけないことを正しく守れば、スイングトレードで負ける確率がグッと下がります。ぜひ参考にしてみてください。
損失を取り返そうとする
スイングトレードでやってはいけないこと一つ目は、損失を取り返そうとするです。
「取り返さなくては!」という心理は焦りや欲を生みます。冷静に分析した売買ではなく感情でトレードすることに繋がり結果として失敗しやすくなります。
損失を取り返そうとして無計画にナンピンや追加入金をすると逆に損失が膨らみます。スイングトレードではあらかじめ決めた損切りや利確ルールを守ることが大切です。損失回復を狙う売買は、機械的なルールを無視する行為になり、再現性のあるトレードができなくなるのです。
Yahoo!ファイナンスの掲示板を参考にする
スイングトレードでやってはいけないこと二つ目は、Yahoo!ファイナンスの掲示板を参考にするです。
株をやっている人ならスマホに入れているであろう「Yahoo!ファイナンス」。そこで見れる掲示板を参考にし過ぎることは危険です。
掲示板は誰でも書き込めるため、正確でない情報やうわさが混ざっています。「根拠のないうわさで株価が上がる」と思いこんでしまうと間違った売買判断につながる恐れがあります。
掲示板では「買いたい」「売りたい」という感情の強い投稿が目立ちます。他人の感情に流されるトレードが上手くいくはずもありません。
また掲示板に頼りすぎると「他人の意見に従うトレード」になり、自分でチャート分析やリスク管理を考える力が身につきません。長期的に勝つためには自分のルールと判断力を鍛えることが重要になってくるのでこういった行為は避けましょう。
似たもので、X(旧Twitter)の投稿を真に受けてトレードを行ってしまうということも挙げられます。これもスイングトレードではやってはいけないことであり、理由としては上記で説明したものを類似しています。
決算を跨ぐ
スイングトレードでやってはいけないこと三つ目は、決算を跨ぐことです。
決算跨ぎには大きなリスクがあります。決算発表で企業の業績や予想が公表されるため、それによって株価が大きく上下することがあります。スイングトレードは中期の値動きを狙う戦略なので、予想外の変動で損失が膨らんでしまうリスクをはらみます。
決算の内容や市場の反応は予測が難しく、良い決算でも売られたり、悪い決算でも買われたりすることがあり、経験や分析だけでは完全に予測できるものではありません。
また決算発表で株価が大きく動くと、一瞬で逆方向に株価が跳ねることがあります。この場合に事前に設定しておいた損切りラインを大きく飛び越えてしまい想定以上に損失が膨らむ可能性もあるのです。
中期の値動きを狙っていく場合は、決算発表前に手仕舞いしてリスクを管理することが安全策と言えるでしょう。
連休を跨ぐ
スイングトレードでやってはいけないこと四つ目は、連休を跨ぐです。
三つ目の決算を跨いではいけない理由と少しかぶることもありますが、こちらもリスク管理の関係でやってはいけないことの一つと言えます。
連休中に企業の発表や経済ニュース、国政情勢の変化などがあると、株価は大きく動くことがあります。マイナスのニュースが出て連休明けに株価が大きく下がった場合、想定した以上の含み損を抱えてスタートすることになってしまいます。
また心理的プレッシャーが大きくなるといったデメリットもあります。せっかくの連休中に連休明けの株価が気になってしまい落ち着かなくなってしまうのは精神衛生上よろしくありません。
スイングトレードでは、連休前に手仕舞いしてリスク管理をすることが安全策と言えるでしょう。
諦めてほったらかしてしまう
スイングトレードでやってはいけないこと五つ目は、諦めてほったらかしにしてしまうです。
買った株が下がってしまい損切りもうまくできなかったとき、諦めてほったらかしにしてしまうという行動をとってしまう人がいるかと思います。恥ずかしながら私も経験があります、、。
しかし相場は常に変化しています。ほったらかしにしていると株価が損切りラインを超えそのまま下がり続けてしまったり、ルール通りに売却する習慣が崩れ、損失を拡大させてしまう恐れがあります。
こまめにチャートをチェックし、ルールに沿った売買を行うことが勝率を上げるポイントになります。
実体験:やるべきことを守った結果
私は以前スイングトレードで約25%の利益を得たことがあります。あくまでも結果論かもしれませんが、上記で紹介したやるべきことのルールを守った結果だと思って紹介します。
上昇トレンドかつ出来高の大きい銘柄を触った事例
上昇トレンドかつ出来高の大きい銘柄を触った事例を紹介します。
購入した銘柄は、QPS研究所(5595)。購入価格は1,756円、最終的に2,220円で利益確定を行い+26.42%の利益を獲得しました。

右肩上がりかつ出来高が大きめの銘柄を購入したことによる大きな利益を得られた事例を紹介しました。

結果論ではあるけど、上昇トレンドに乗っかった結果だと思いたい!
失敗談:やってはいけないことを犯した結果
一方別の取引では、損切りラインを設定せず逆指値も行わず挙句の果てに負けているまま放置してしまった銘柄を紹介します。
当時購入した銘柄は、ジャストシステム(4686)。2023年5月に4,255円で購入し2025年5月に3,445円で売却しました。結果として2年間40万程が資金拘束され-19.02%の損失を被ることとなりました。

結果的に株価が戻るパターンもありますが、一方で一生戻らないパターンもあります。また適切なところで損切りを行わなかったために損失が大きく拡大してしまったり、そもそもその損失銘柄を保有している間その分の資金が拘束してしまっており他の優良銘柄を買う機会損失が生まれる可能性もあります。

猛反省、二度と同じ過ちは繰り返さない
おわりに
今回はスイングトレードでやるべきことやってはいけないことをまとめてみました。最後までお読みいただきありがとうございます。
最後に10選をまとめておきます。
スイングトレードでやるべきこと
- 上昇トレンドの銘柄を触る
- 出来高の大きい銘柄を触る
- 損切りは機械的に行う
- 思った方向に動かなかったら売る
- 一度に買い切らず分割して買う
スイングトレードでやってはいけないこと
- 損失を取り返そうとする
- Yahoo!ファイナンスの掲示板を参考にする
- 決算を跨ぐ
- 連休を跨ぐ
- 諦めてほったらかししてしまう
スイングトレードは、「勝つための行動」と「負けないための回避策」を知ることが重要です。やるべきことをコツコツ積み重ね、やってはいけないことを徹底的に避けることで安定した成果が出やすくなります。
勝つために特に大事なことが「資金を守る」ことです。短期の勝ち負けよりも、長期的に続けることができるマイルールを作り、それを守り抜くことがスイングトレードで勝つことへの何よりの近道なのです。
投資は自己責任。リスクとリターンは比例する。けれどやっぱりやめられない株式投資。
ではまた。
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