BALMUDA(以下バルミューダ)の出したスマートフォン、ご存じでしょうか。
2021年11月に発売され、一時話題となった「バルミューダのスマホ」。
今回は、そんなバルミューダの出したスマートフォン「BALMUDA Phone(以下バルミューダフォン)」に関する面白い話を共有させていただきたく思い、この記事を書かせていただきます。
「バルミューダフォンの製品としての機能(スペック)」というより「バルミューダ企業そのものの戦略」についてを知ることができる記事となっております。
よかったら最後までご覧ください。
参考動画↓
バルミューダフォンはゴミである、でも理由があった。
まず初めに、今回の記事を書くうえで参考にさせていただいた動画の冒頭に言っていた「バルミューダフォンはゴミである」という主張について共有したいと思います。
バルミューダの製品が大好きな方、強めの言葉が苦手という方はそっと画面を閉じてください。。
バルミューダ自体を決して批判する内容ではなく、あくまでバルミューダの企業としての面白い戦略を紹介していく記事です。
バルミューダフォンはゴミ
バルミューダフォンはゴミ。これが今回の記事の結論です。
もう一度。
バルミューダフォンはゴミです
では、どうしてバルミューダフォンはゴミなのか?
そのシンプルな理由として以下が挙げられるとのこと。
「Snapdragon765で10万円」
この段階でゴミ確定だそう。どう転んでもゴミ。
ここではスペックに関しては細かく説明はしませんが、スペックから見てもゴミであるとのことでした。
この性能でこの値段。この時点で「このスマホでパンでも焼けない限りゴミ」とおっしゃっていて、思わず笑ってしまいました。
なので結論、バルミューダフォンは
買うまでもないし検討するまでもない
とのこと。
そもそもバルミューダフォンはゴミ確定なので、どこがどうバルミューダフォンはゴミなのか?という話をするのではなく→
なぜゴミ商品を発売したのか?
そこのところのお話が非常に興味深いので、掘り下げてご紹介させていただきたく思います。
バルミューダとは?
まずは、そもそもバルミューダという会社がどのような会社なのかについて軽く説明します。
皆さんも聞いたことはある会社だとは思います。
私自身もおしゃれでちょっと高めのトースターとかを扱ってる会社かな、くらいの認識でした。
このイメージ。おしゃなトースターの会社。
実際にその認識で間違っていないそうで。
簡単にまとめるとこんな感じの企業です↓
やはり、我々のイメージの強い「トースター」が主力製品なことはわかりました。
しかし、だからと言って主力製品のトースターの中で様々な製品を出しているかというとそうではありません。
バルミューダはいろいろなジャンルに高くておしゃれな製品を1品ずつ販売しています。
少数製品を多ジャンルに展開している会社
これがあまり知られていないバルミューダの大きな特徴。
シェアを取らないという独自戦略
バルミューダはシェアを取らないという独自戦略を取っています。
ここが面白いポイント。
本来のシェアの概念を覆す戦略を取っています。
シェアを取ることで生き残りを図るのが一般的な企業のやり方ですが、バルミューダは違います。
少ない数を高く売るという戦略をはかっているのです。
薄利多売の真逆=厚利少売戦略
こちらは2020年のバルミューダの決算資料の中のグラフです。
バルミューダ製品の中で最もシェアを取っているトースター。
それでもたったの5.3%。
ほかの商品、1%前後の商品でさえ生き残れてしまうのがバルミューダのすごいところ。
ではなぜ生き残ることができるのか?
その理由は、価格が高いから。
薄利多売とは真逆を行く厚利少売という戦略を取っているからなのです。
製品単価がめちゃくちゃ高い、これもバルミューダの一つの特徴。
グラフを見てもわかるように、市場の平均価格より大きく価格が高いことが分かると思います。
トースター:平均価格5,000円程、バルミューダ20,000円程
扇風機:平均価格3,000円程、バルミューダ35,000円程
つまり、価格が高いから数を売らなくても生き残ることができるということです。
その代わりスタイリッシュなデザインだったり、ブランドイメージが良かったりといったところで売っているということです。
加えてもう一つバルミューダ独自の面白い戦略があります。
製品ジャンルを増やし売り上げを増やす戦略
バルミューダもう一つの独自戦略に「製品ジャンルを増やして売り上げを増やしていく」というものがあります。
2010年ごろ、バルミューダは扇風機に参入し売り上げを少しずつとることができました。
そして売り上げが徐々に伸びてきたところでキッチン用品(トースターなど)に参入し、トースターがヒットするなどして売り上げがさらに拡大していきます。
その後、クリーナー製品(掃除機等)に参入し、売り上げをどんどん伸ばしていきます。
いろんなジャンルにバルミューダの製品を少量投入するごとに売り上げを増やしていく。
これがバルミューダ独自の成長戦略だということです。
そして今後も続々と新ジャンルに参入していく予定だということもこのグラフから読み取ることができます。
そしてそして、その新ジャンルの一つが「バルミューダフォン」だったということなのです。
バルミューダフォンはゴミ
ただ、繰り返しになりますがバルミューダフォンはゴミです。
- Snapdragon765で10万円
- 性能が低いのに値段が高い
- 覆せる要素もない
動画内では詳しく「どこがどうゴミなのか」も解説されていますが、ここではスマホ自体のスペックの解説は割愛。
気になる方は参考動画の方をご覧ください↓
市場に存在価値がないスマホ
動画内でもなかなか辛辣におっしゃっていますが、バルミューダフォンはゴミであり、市場に存在価値がないスマホとのこと。
その理由としてざっくりとまとめるとこちらになります。
- 安い上位互換スマホが明確にある
- 性能価格を覆せる強みもない
よって、
→バルミューダフォンを選ぶ理由がない
という結論になってしまうのです。
バルミューダがゴミを発売する理由
バルミューダフォンはゴミである。
この事実には誰しもが気づいている。
消費者も。バルミューダ自身もおそらく。
それでもなぜバルミューダはスマートフォンを発売するのでしょうか?
そこにはもちろん理由があるのです。
キーワードは「今まで通り」
バルミューダはブレていない
スマホを発売したことによって何かと話題になってしまったバルミューダですが、やっていること自体は今まで通りの厚利少売の戦略です。
今まで発売してきた商品と同様、ほかのメーカーの市場平均を大きく上回る価格での販売をしています。
バルミューダはブレていません。
今まで通りの戦略を取っているだけ。
そもそもシェアを取る気もない
これも今までの商品を見ればわかるように、そもそもシェアを取る気はないのがバルミューダ。
おそらくこのスマホでシェアを取ることはできないと思われますが、そこは全く問題ない。
これも今まで通り。
新ジャンルを高く売って売り上げを伸ばす狙い
製品を新たなジャンルに投入して利益を伸ばす。
先ほど紹介した資料にもある通り、「予告してた通り」ただそれだけということ。
これもまた今まで通りなのです。
周りの声からしたら、「バルミューダフォンみたいなゴミなんか発売しやがって、見損なったぞバルミューダ」というのが今回の騒動ではあるのですが、、
バルミューダからしたら、「何言ってんだ、俺は今までと何にも変わってないぜ」というお話。
スマホ参入の広告効果は抜群
そして、スマホ参入の広告効果は抜群なんです。
なぜなら、スマホというのは全人類必須のデバイス。
だから、注目度が今までの商品と比べて桁違いということ。
それによって
- バルミューダの名前が売れる
- この記事で紹介しちゃっている(参考動画も同じく)
このような相乗効果が生まれているのです。
誤算
ただバルミューダにも誤算だったという話があります。
それは「スマホという目利きが厳しいジャンルだった」ということです。
白物家電と違ってごまかしが効かない
まずは白物家電と違ってごまかしが効かないという点が挙げられます。
スマホに関してはごまかしが効かない。
「なんか良い気がする」は無理ということです。
- トースターであれば「美味しい気がする」
- 扇風機であれば「風が優しい気がする」
- ライトであれば「目に優しい気がする」
でいけていました。実際がどうかは置いておいて。
でもスマホは違います。
ごまかしが効かないのです。
カタログスペックという概念が存在しているため、それだけで判断されてしまうのです。
すべてが数字で表れてしまう。
結果として、「誰がこんなもん買うんだよ」の嵐となってしまったという訳です。
このように、見るからにスペックが劣るバルミューダフォン。
では、こんな製品を誰が買うのか?誰を目的として売り出しているのか?
そこに関してのバルミューダ寺尾社長のコメントがあります↓
「我々はスマホの画面を見るために生きているのではない。ステキな人生を送るために生きているのであって、スマホはあくまでもそのための補助をするための道具だ」
「スマホは人がより良く生きるための補助道具だと考えている。この考えが少しでも気になって、耳を傾けて、手に取っていただける方が購入の候補に入ると思う」
要は、情弱がターゲットだと名指ししているということ。
まともに戦っても勝てない
他とまともに戦っても勝てないことは十分承知のバルミューダ。
そんなことはわかっているからこそ、やっていることがあります。
それが、ソフトバンクとタッグを組むということ。
バルミューダはショップに足を運ぶ情弱をターゲットとし、ソフトバンクのゴリゴリの営業マンとともにバルミューダフォンを売りさばこうというのです。
そして売り上げ目標はたったの27,000台となっています。
これに関しては、ソフトバンクショップの本気を出せば余裕での達成となるとのこと。
さらにさらに、このバルミューダフォン発売は広告にもなるし、利益も確保できる。
→すべては計算済みだったというわけです。
まとめ
バルミューダの見事な戦略
まとめると、今回のバルミューダフォン発売はバルミューダの見事な戦略だったということ。
- 話題になって広告効果は抜群
- さらに利益もしっかりと確保ができる
- そしてこの動画主のようなゴミだと分かる人はそもそもターゲットにしていない
- ターゲットとなっている情弱の方々は買ったとしても最後までゴミだとは気づくことができない
結果として誰も不幸にならない
という見事な戦略だったということです。
バルミューダフォンに続編はない
これに関しては動画内でおっしゃっていた話にはなりますが、おそらくバルミューダフォンには続編はないであろうとのこと。
バレたしバレる
・知識がある人に関してはこの段階でゴミであるということがばれているという点。
・知識がない人に関してもいずれゴミであるということがばれるという点。
いずれの点から見ても続編が出ることは考えられにくく、初代で終わる伝説のスマホになることが予想されます。
いかなる人にもおすすめしない
そして総じて言えることは、バルミューダフォンはいかなる人にもおすすめしないということです。
この記事を見る人はそもそも買わないでしょうが、わざわざ買うほどのものではないとのこと。
よっぽど「バルミューダが好きでどの製品も買いたいんだ!」という人以外は買うのを控えたほうが良いのかもしれません。
どうしても気になる方はこちらから↓
でも残念な事実もあります。
それは
どう転んでも情弱は救えない
ということ。
これはこの動画、この記事から学べる大きなことだと思います。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました。
バルミューダフォンを知っていた方、そうでない方にも何かしらの学びがあったのではないでしょうか?
斬新なビジネスモデル、この動画を見るまでバルミューダという会社のことはほぼほぼ分かっていなかったので、学びがたくさんありました。
少ない商品を高く売ることで利益を得る。
このビジネスモデルは新しく面白いものだなと感じました。
そしてもう一つ学べることと言えば、情弱にはなるなということです。
やはり、知らないと損することがある、知っていれば回避できることがある。
これが事実です。
完璧にすべてを知っている必要はないですが、最低限の知識を頭に入れておくだけでもいろいろな場面で得をする、損をしないで済むと思います。
だからこそ、日々の情報収集は大事だなあとあらためて感じることができました。
そして今後もそのような情報を共有出来たらなと思います。
最後にもう一度。
バルミューダフォンはゴミ、パンでも焼けない限りは。
ではまた。
コメント