避難所で実際に起こった「800分の700問題」

本の紹介

この記事では、東日本大震災時の避難所で実際に起こった「800分の700問題」ー「800人いるので、700個のケーキは受け取れません」というお話を紹介します。

この記事を読むと
  • 私たちの頭が、いかに凝り固まっているかが分かる。
  • 「正解主義」「前例主義」「事なかれ主義」からの脱却ができる。

参考図書はこちらになります↓この記事を読んでみて気になった方はぜひ。

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「800人いるので、700個のケーキを受け取れません」

「800分の700問題」こちらの出来事の概要を以下に書いていきます。(以下引用含む)

「800分の700問題」概要

東日本大震災から一か月ほど経った頃の事。

著者の友人が、被災地のボランティアを始めました。

すると彼の知人で東京のパティシエが「被災地の子供とたちに甘いものを食べさせてあげたい」と、ロールケーキを徹夜で700個作り、たくしました。

彼は、東京を早朝に出発地、被災地まで車で約八時間、運転して運びました。

ところが800人の避難民がいる避難所にロールケーキを持って行ったところ受け取ってもらえなかったのです。

避難所の責任者が、

責任者A
責任者A

うちは800人います。700個では100個足りないから受け取れません。

と拒否したのです。

さらに、断られたのはこの避難所だけではありませんでした。

あちこちの避難所にもっていったそうなのですが、二分の一の確率で断られたそうです。

いったいなぜそんなことになるのか?

では、いったいなぜそんなことになったのでしょうか?

それは、避難所の責任者が「正解主義」「前例主義」「事なかれ主義」にとらわれているからです。

  • 「800人には800個」という一つの答えしかないという「正解主義」
  • 過去に数が合わないものを受け取ったことがないから受け取れないという「前例主義」
  • 受け取って非避難民から何か文句が出たら困るという「事なかれ主義」

東日本大震災という非常に大変な状況の中で、避難所に届けられたロールケーキ。

普通に考えたら受け取らない理由なんてないはず。

しかしこのようなことになってしまったのには、避難所の責任者の方が上で示した三つの主義にとらわれていたからでした。

これはまさしく「正解主義」「前例主義」「事なかれ主義」が招いた典型的な出来事だったのです。

あなたは「800分の700問題」にどう対応しますか?

では、もしあなたが避難所の責任者だったら、どう対応しますか?

これを考えていきます。

まず、800人いたら、全員甘いものが好きとは限りません。

甘いものが嫌いな人だっているはずです。

甘いものは別にいらないかな。

糖尿病の人もいるかもしれません。

甘いものは食べられない!

あるいは、避難所でもダイエット中だから食べたくないという人もいるでしょう。

ダイエットしてるからいらない!

著者は数多くの講演を行っていてその中でこの「800分の700問題」を聴衆に投げかけています。

「この場に会場の人数より少ないロールケーキが運ばれてきたとして、すぐに食べたい人は?」

と聞くと、女性を中心に手が上がります。

「では、甘いものが好きじゃない人、病気で食べられない人、ダイエット中で食べたくない人は?」

と聞くと、1割から2割、多い時で3割の手が上がります。

つまり、800人いる避難所に、受け取った700個のロールケーキをそのまま配ったとしても、何も問題は起きなかった可能性が高いのです。

百歩譲って、「ケーキは生ものだから腐っては困る。他の避難所のほうがお年寄りや子供が多いから持っていってほしい」という答えはあるかもしれません。

しかし、カップ麺でさえも、700個持ち込んだボランティアが800人いる避難所で断られたケースがあったそうで。。

「800人には800個」という答えしかない。

それ以外の答えは考えようともしない。

ここに大きな問題があると思います。

いろいろあるよ解決策

「800分の700問題」には、解決策がたくさんあります。

もし算数ができるのであれば、ロールケーキ一本を半分にすれば700個が1400個になって、800人に半分ずつ分けられるということぐらい、なぜ思いつかないのでしょうか。

残った600個はどうするんだ!

と心配しているなら、ますます重症です。

それこそイマジネーションを使って解決してほしい。

たとえば、じゃんけん大会やパン食い競争をして、勝った人が余ったロールケーキをもらうようにします。

おじいちゃん、おばあちゃん、子供たちが一緒になってゲームをして、一瞬で笑顔になればいいじゃないですか。

まとめ

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

今回は実際に起こった話「800分の700問題」について書かせていただきました。

この出来事を知って、いかに私たちの頭が凝り固まっているのかを痛感しました。

最後のほうに書いた、「ロールケーキ一本を半分にすれば700個が1400個になって、800人に半分ずつ分けられる」というところで、私自身が「残った600個はどうするんだろう?」と一瞬考えてしまったことにゾッととします。

それだけ、私たち日本人には凝り固まった考え方が身に沁みついてしまっているのだなと感じました。

自分がロールケーキを配る経験はあまりないと思いますが、「正解主義」「前例主義」「事なかれ主義」が招く問題はたくさん存在すると思います。

このような考えにとらわれていたら、現在の目まぐるしく変化する世の中に対応していくのは厳しいと思います。

だからこそ一人一人がこれらの考え方を打破することができれば、世の中はいい方向に変わっていくでしょう。

そして多くの日本人がこの考え方にとらわれている今、少数派の考えに回ることができれば、他と大きな差をつけられることは明確です。

まあ、ブログをやっている事。

そして、この記事にたどり着いたあなたはすでにかなりの少数派ですが。(笑)

ではまた👋

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