2026年9月5日、以前から気になっていた猿島へ夫婦で行ってきました。
猿島は横須賀から船で気軽に行ける無人島です。島内にはたくさんの緑があり、その中にレンガ造りのトンネルや砲台跡などが残っています。
今回は島を自分たちだけで歩くのではなく、猿島公園専門ガイド協会のガイドツアーにも参加してみました。
実際に参加してみると、これが本当に結構よかったです。
ガイドさんの説明を聞いたことで、目の前にある建物や跡が「緑の中に残っている古い施設」ではなく、かつて軍事施設として使われていたものとして見えてきました。
この記事では、三笠桟橋から猿島へ向かったときの様子や、専門ガイドツアーで巡った戦争遺構、実際にかかった時間などを写真と共に紹介します。
猿島を出たあとに食べた、横須賀のネイビーバーガーも少し紹介します。

ガイドなしでは分からなかった部分が、思っていた以上に多かった印象でした。
今回の猿島観光の流れ
13:00ごろ 三笠桟橋周辺に到着
13時台 船で猿島へ
14:00 専門ガイドツアー開始
15:30過ぎ ガイド終了・猿島を出発
その後 HONEY BEEで遅めのご飯
※乗船料金、運航時刻、ガイドツアーの出発時刻・所要時間・料金などは変更される可能性があります。訪問前に猿島公式サイトおよび猿島公園専門ガイド協会公式サイトで最新情報をご確認ください。
猿島とは
猿島は、東京湾に浮かぶ無人島です。
横須賀にある三笠桟橋から船で約10分。都内からも日帰りで行きやすく、島内では散策やバーベキューなどを楽しむことができます。
一方で、猿島にはレンガ造りのトンネルや兵舎、弾薬庫、砲台跡なども残っています。
猿島砲台は、明治時代に東京湾へ入ってくる艦船や横須賀周辺の軍港を守るためにつくられたものです。その後も島は軍事的に利用され、現在までさまざまな遺構が残されています。
自然を楽しめる場所でありながら、こうした歴史を持つ島でもあります。
今回実際に歩いてみて、この2つが同じ場所に残っていることが、猿島の大きな特徴なのかなと思いました。
猿がいないのになぜ「猿島」?
ちなみに、猿島には猿が生息しているわけではありません。
それでは、なぜ「猿島」という名前なのか。
猿島には、日蓮上人にまつわる伝説が残っています。鎌倉へ向かう途中で海が荒れ、船が危険な状態になった日蓮上人を、どこからともなく現れた白い猿が島へ導いたという話です。
その白い猿の伝説から、島が「猿島」と呼ばれるようになったと伝えられています。
もちろん伝説ではありますが、猿がいないのに猿島と呼ばれている理由を知ることができて面白かったです。
三笠桟橋から船で猿島へ
この日は13時ごろに三笠桟橋周辺へ到着しました。
まずは猿島航路のチケットを購入します。
猿島航路のチケットを購入

こちらが実際に購入したチケットです。
私たちが訪れた2026年9月5日は、猿島航路の往復乗船券が大人1,800円、猿島公園の入園料が500円でした。
2人分となるとそれなりの金額にはなりますが、船で無人島へ向かう体験まで含めて楽しむことができました。
乗船料金は利用日などによって異なる場合があります。運航時間も季節や天候によって変わる可能性があるため、行く前に猿島の公式サイトを確認しておくと安心です。
今回乗った船は「NEW KUROFUNE」

船着き場はこんな感じ。
船の後ろには記念艦三笠も見えました。猿島へ向かう前から横須賀らしい景色です。

今回乗った船はこちら。「NEW KUROFUNE」です。
猿島までは約10分なので、船に乗っている時間はそれほど長くありませんでした。それでも、海を渡って島へ向かうだけでわくわくした気持ちになりました。
曇り空のなか猿島に到着

船に乗ってしばらくすると、緑に覆われた猿島が見えてきました。
この日はあいにくの曇り空。
快晴だったら海や島がさらにきれいに見えただろうなとは思いましたが、雨が降らなかっただけでもよかったです。
土曜日だったのでかなり混んでいるかと思っていましたが、そこまで混雑しているという印象はありませんでした。島の中も比較的ゆっくり見ることができました。
14時から猿島の専門ガイドツアーに参加
猿島に到着したあとは、14時から猿島公園専門ガイド協会のガイドツアーに参加しました。
猿島には自分たちだけでも歩ける散策路がありますが、今回はせっかくなので事前に調べていて評判もよかったガイドさんと一緒に回ってみることにしました。

こんな感じで、ガイドさんの説明を聞きながら島内を進んでいきます。
担当してくださったガイドのおじさまも非常に親切で、全体的にとてもよい雰囲気でした。場所ごとに立ち止まりながら、当時の施設の役割や猿島が軍事利用されていた背景などを説明してくれます。
この日は14時にスタートして、終わったのは15時30分過ぎ。約90分かけてじっくりと回りました。
最初は90分と聞くと少し長いのかなとも思いましたが、実際にはガイドさんの話を聞きながら歩いていたので、体感としては全然長く感じず、あっという間でした。
ちなみに、2026年9月時点で猿島で当日受付をしている専門ガイドツアーは、大人600円でした。感覚は人それぞれですが「たった600円でツアーでしか見られない兵舎や弾薬庫が特別にみられる」というのはお得だなと感じました。
※私たちが参加した日は実際に約90分かかりましたが、ツアーの所要時間は時期や天候などによって異なります。参加する場合は猿島公園専門ガイド協会の公式サイトをご確認ください。
ガイドさんと回ったコース
今回は、海軍港碑や電気燈機関舎、兵舎・弾薬庫、レンガ造りのトンネル、砲台跡、展望広場などを巡りました。
場所によっては少し階段や勾配ありましたが、説明を聞きながらゆっくり進みました。
すべてを細かく紹介するとかなり長くなってしまうので、ここからは特に印象に残った場所を中心に紹介していきます。
自然の中に残る戦争遺構を巡る
ガイドツアーが始まると、島の緑の中にレンガ造りの施設や石壁が見えてきます。
船を降りたところは海辺の無人島という感じでしたが、少し中へ進むだけで雰囲気がかなり変わりました。
苔むした石壁とレンガ造りの施設

猿島といえば、この景色を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
高い石壁には苔が広がり、その途中にレンガ造りの施設が残っています。
自然が豊かでとてもきれいなのですが、ガイドさんの話を聞くと、この道や建物も軍事施設の一部としてつくられたものだと分かります。
ただ景色を見るだけでも面白い場所ですが、何のためにつくられたのかを知ることで、見え方が少し変わってきました。
切通しのような道を進む

続いて、切通しのような道を進んでいきます。
両側を高い石壁に囲まれていて、島の外からはこんな場所があるとは想像できませんでした。
現在は石壁の上や周囲に緑が広がっていますが、当時は今とは違った景色だったのだと思います。
緑が多くてきれいだなと思う一方で、ここで実際に多くの人が過ごしていた時代があったと聞くと、単純にきれいな場所というだけでもありませんでした。
レンガ造りのトンネル

こちらも猿島らしさを強く感じた、レンガ造りのトンネルです。
実際に中を歩いてみると、写真で見るよりも奥行きを感じました。
猿島公園専門ガイド協会の案内によると、トンネルは全長約90m。壁から天井までレンガでつくられています。
レンガの積み方や建設された時代についても説明してもらいましたが、自分たちだけで歩いていたら「古いレンガのトンネルだね」で通り過ぎていたかもしれません。
背景を知ってから見ると、このトンネルが現在まで残っていること自体にも重みを感じました。
専門ガイド同行で兵舎・弾薬庫の内部へ
今回のガイドツアーでは、普段は施錠されている兵舎や弾薬庫の内部にも入ることができました。
ここは、専門ガイドさんと一緒だからこそ見ることができた場所です。
内部の写真は撮っていませんでした。
少し暗かったこともありますが、ガイドさんの説明を聞きながら実際に見ることに集中していて、写真を撮るところまで頭が回らず。
ただ、写真を撮らなかった分、内部に入ったときの空気や雰囲気はよく覚えています。
外から眺めるだけではなく、実際に中へ入ることで、ここが本当に使われていた施設だったことをより強く感じました。
ここで人が生活し、弾薬が保管され、軍事施設として使われていた時代があった。
ガイドさんの説明を聞きながら内部を見ると、残されている建物が急に現実のものとして感じられました。
今回ガイドツアーに参加して、特に印象に残った場所のひとつです。

ここがツアーの中でも特に印象に残りました。
島内に残る砲台跡

島内には、このような砲台跡も残っています。
現在は大砲そのものが置かれているわけではありませんが、円形のつくりから、ここに大きな設備があったことが伝わってきます。

こちらもガイドさんに案内してもらった遺構です。
ガイドさんの説明を聞いていると、猿島が長い期間にわたって東京湾や横須賀を守る場所として使われていたことが分かりました。
今は静かで緑の多い島なので、その違いがとても印象的でした。
砲台の話を聞いて感じたこと
ガイドさんの話の中で特に印象に残ったのが、猿島につくられた砲台と、実際にどのように使われたのかという話です。
明治時代の猿島には、東京湾へ入ってくる敵の船を狙うための砲台が用意されていました。
日清戦争や日露戦争の際には戦闘に備えて多くの兵員が配置されたそうですが、猿島の砲台から敵艦へ向けて実際に撃つ機会はなかったとのこと。
その後、戦いの中心が船から航空機へ移ると、猿島にも飛行機を狙うための高角砲が設置されました。
しかし、ガイドさんの説明では、当時の米軍との技術差は大きく、高いところを飛ぶ航空機まで弾が届かなかったり、飛行中の機体を狙って撃つこと自体が難しかったりしたそうです。
さらにB29へ対応するため、終戦間際には12.7cm高角砲も設置されました。それでもB29が飛ぶ高度には届かず、電気系統の故障もあって、期待されたようには機能しなかったといいます。
相手に対応するために新しい砲台を用意しても、完成したころには米軍との技術差がさらに開いている。
そして、終戦間際につくられた砲台跡のコンクリートには、貝殻のようなものが混ざっていました。
資材が不足する中で、手に入るものを使ってつくったのではないか。そんな当時の状況も、この壁から推察できるそうです。
何も知らずに見ていたら、「丸い砲台跡が残っている」で終わっていたと思います。
しかし、ガイドさんから一つ一つ話を聞くと、戦いに備えて何度も施設をつくり直しながら、それでも技術の差に追いつくことができなかった当時の様子が見えてきました。
その場所に実際に人がいて、いつ来るか分からない攻撃に備えていたことを考えると、何とも言えない感情になりました。
猿島は専門ガイドをつけた方がいい?
実際に参加してみて、私はガイドをつけてよかったです。
せっかく猿島へ行くのであれば、個人的には専門ガイドツアーを強くおすすめします。
自分たちで歩くだけでは分からない背景を知れた
猿島の中には、遺構について一つ一つ詳しく説明する看板がたくさん設置されているわけではありません。
もちろん、ガイドなしでも緑の中を歩いたり、レンガ造りのトンネルを見たりするだけで楽しめると思います。
ただ、私たちの場合はガイドなしで歩いていたら、
「緑が多くて、レンガ造りの建物やトンネルが残っている面白い島だった」
くらいの印象で終わっていた可能性があります。
この場所が何に使われていたのか。いつごろつくられたのか。当時どのような役割を持っていたのか。
ガイドさんからそうした話を聞くことで、目の前に残っている施設の見え方がかなり変わりました。
兵舎や弾薬庫の内部に入れた
普段は施錠されている兵舎や弾薬庫の内部に入れたことも、ガイドツアーに参加してよかった理由です。
外から見るだけでは分からない内部のつくりや雰囲気を、実際に中へ入って感じることができました。
写真はありませんが、それでも文章に残しておきたいと思うくらい印象に残っています。
ガイドさんが親切で質問もしやすかった
今回担当してくださったガイドさんが親切だったことも、ツアーを楽しめた理由のひとつです。
一方的に説明を聞き続けるという感じではなく、歩きながら質問もしやすい雰囲気でした。
ガイドなしでは分からない部分を丁寧に説明してもらえて、とても充実した島巡りになったと思います。
猿島を出てHONEY BEEへ
15時30分過ぎにガイドツアーが終わり、その後は猿島を出て横須賀市内へ移動しました。
猿島の観光中は食事をしていなかったので、ここで遅めのご飯です。
横須賀まで来たので、せっかくだからネイビーバーガーを食べることにしました。
横須賀らしい雰囲気のHONEY BEE

今回行ったのは「HONEY BEE」です。
外観からすでにアメリカンな雰囲気。ネオンサインも目立っていて、横須賀に来た感じがします。
横須賀市内は外国人の方も多かった印象です。基地がある街という雰囲気があり、猿島だけではなく、横須賀の街を歩くこと自体も普段とは少し違った感じがしました。
ネイビーバーガーとタコス

注文したのは、レギュラーネイビーバーガーコンボ。
ハンバーガーにフライドポテトが付いています。
バーガーは肉肉しくて、とてもおいしかったです。猿島を歩いたあとだったこともあり、ぺろりと食べてしまいました。

猿島を歩いたあとのネイビバーガー。お店の雰囲気も相まって最高でした!

そしてタコスも注文。
猿島が今回のお出かけの主役でしたが、最後に横須賀らしいものを食べることができてよかったです。
HONEY BEEのメニュー・営業時間は[公式サイト]で確認する。
実際に猿島へ行って感じたこと
今回初めて猿島へ行きましたが、自然の中を歩くだけでも気持ちのよい場所でした。
土曜日でも想像していたほど混雑しておらず、比較的ゆっくり島内を見ることができたのもよかったです。
一方で、一番印象に残ったのは、専門ガイドさんの説明を通して猿島の歴史的な背景を知ることができたことです。
島の中には緑が広がり、その中にレンガ造りのトンネルや兵舎、弾薬庫、砲台跡などが残っています。
今の景色だけを見れば、自然に囲まれた静かな場所です。
それでも、ここで実際に人が生活し、軍事施設として使われていた時代があった。
ガイドさんの話を聞きながら歩いていると、当時の様子が少しだけ見えてくるような感覚がありました。
きれいな自然と戦争遺構が同じ場所に残っていて、何とも言えない感情になったことを覚えています。
唯一少しだけ残念だったのは天気です。
快晴だったら、船から見える海や猿島の景色がさらにきれいだっただろうなとは思いました。
それでも、実際に猿島へ行くことができて本当によかったです。
まとめ|ガイドの説明で猿島の見え方が変わった
今回は、夫婦で猿島を訪れ、猿島公園専門ガイド協会のガイドツアーに参加したときの様子を紹介しました。
猿島は、海や緑を感じながら歩くだけでも楽しめる場所です。
ただ、今回ガイドさんから施設の役割や島が軍事利用されていた背景を聞いたことで、猿島を見る目がかなり変わりました。
自分たちだけで歩いていたら通り過ぎていたかもしれない場所にも、一つ一つ役割や歴史がありました。普段は入ることができない兵舎や弾薬庫の内部を見られたことも、とても印象に残っています。
ガイドなしでも散策はできますが、せっかく猿島へ行くのであれば、専門ガイドツアーも選択肢に入れてみてほしいです。
私たちは参加してとてもよかったです。
今回は曇りだったので、今度は天気のよい日の猿島も見てみたいなと思います。
このほか、夫婦で行った宮古島2泊3日の旅行記も書いています。海や食事を楽しんだ様子をまとめているので、旅行記事を続けて読もうかなと思ってくれた方はこちらもどうぞ。
猿島なのに猿はいない。動物もそこまで多くない。
ではまた。


コメント