「ドラム式洗濯機と縦型洗濯機、結局どちらがいいのだろう?」
洗濯機を買い替えるとき、多くの人が一度は迷うテーマだと思います。価格を抑えやすい縦型か、乾燥まで任せられるドラム式か。洗浄力や容量、電気代などを比較し始めると、なかなか簡単には答えが出ないと思います。
そんな「ドラム式か縦型か」という論争を、トーマスさんが動画で取り上げていました。
冒頭から、
「ドラム式か、ドラム式以外か」
と、いきなり切り込んでくるあたりがトーマスさんらしく面白い内容になっていました。動画の途中でも縦型派の意見に容赦なくツッコミを入れていて、言い方も結構強め。気になる人は気になるかもしれませんが、私を含めトーマスさんの動画を好んでみる人には、笑いながら見ることもできる動画です。
ただ、今回の記事で結論を出したいのは、ドラム式と縦型のどっちが優れているかの勝敗を決めることではありません。
動画を見て改めて考えたのは、ドラム式洗濯乾燥機は、洗濯をラクにする家電というより「自分の時間を買う家電」なのではないかということです。
我が家でもドラム式洗濯乾燥機を使っています。その実感も交えながら、家電にお金を使う意味について考えてみます。
ドラム式と縦型の「勝ち負け」を決めたいわけではない
最初に書いておきますが、私は「全員がドラム式を買うべき」とは思っていません。
洗濯機に使える予算、設置できるスペース、洗濯物の量や種類は家庭によって違います。すでに独立した乾燥機がある家庭もあれば、乾燥機にかけられない衣類が多い家庭もあります。洗濯物を干すこと自体がそれほど苦にならない人もいるでしょう。中には干す作業そのものが好きって人もいるかもしれません。
そしてドラム式にも、本体価格の高さや設置条件、フィルターなどの手入れといった負担があります。何を重視するかによって、縦型のほうが合う人がいるのは当然のことです。
だからこそ、単純な性能比較だけではなく、もう一つ別の視点を加えたいと思います。
それが、その家電を買うことで、どれくらい自分の時間を取り戻せるのかという視点です。
トーマスさんは動画の終盤で、次のように話しています。
「時間こそが最も貴重な資源なんです」
この言葉が、今回の動画で最も大事な部分だなと感じました。
ドラム式の価格だけを見れば、確かに縦型寄り高いと感じるかもしれません。しかし、そこで支払っているのは乾燥機能そのものに対してだけではありません。洗濯物を干す作業や、「洗濯が終わったら動かなければならない」という拘束から離れるためにも、お金を払っているのだと考えることができます。
我が家でも大きいのは「乾燥まで放置できること」
我が家でも、ドラム式洗濯乾燥機を使っています。
洗濯物を入れてボタンを押せば、洗濯から乾燥まで進めてくれます。その間に別のことをしてもいいし、夜ならそのまま寝ることもできます。我が家でも、寝る前にボタンを押して朝に終わるように予約したり、仕事に行く前に予約をして帰ってくる時間帯に完了するようにしたりして使っています。
もちろん、乾燥が終わった衣類を取り出す作業や、乾燥に向かない衣類を分ける作業は残ります。それでも、洗濯が終わる時間を気にして、濡れた洗濯物を一枚ずつ干す必要がない。この違いはかなり大きいです。
重要なのは、洗濯機が動いている時間の長さではなく、人が洗濯に拘束される時間の長さだと思います。
ドラム式は乾燥まで時間がかかることもあります。しかし、機械が動いている間は洗濯機の前でじっと待つ必要はありません。自分は別のことをできるので、その時間はすでに自由時間です。

仕事に行く前にボタンを押して、帰ってきたら取り出すだけ。夜でも雨の日でも乾燥された状態で洗濯が終わっているのは本当に便利です。

我が家で実際に使っているのは、パナソニックの「NA-LX113B」です。
現在は生産終了している旧モデルですが、今も非常に満足して使っています。
現在購入するなら、同じLXシリーズの「NA-LX113EL」が近いモデルになります。洗濯から乾燥までまとめて任せたい人は、候補の一つとしてチェックしてみてください。
「10分だけ」は、年間にすると約61時間になる
動画では、「洗濯物を干すのはたった10分くらいで終わる、だからドラム式は必要ない」という意見に対して、トーマスさんがこう返していました。
「だけが積み上がると、だけじゃなくなる」
これはかなり本質をついているなと思いました。
確かに、1日だけを見ればたった10分かもしれません。「そのくらいなら、自分で干せばいい」と感じるのも自然だと思います。
しかし、毎日10分かかると仮定すると、1年間では次のようになります。
- 10分×365日=3,650分
- 3,650分÷60分=約60時間50分
つまり、年間で約61時間になります。これは丸2日と半日以上を、洗濯物を干す作業に使っている計算になります。
もちろん、ドラム式を買えば年間61時間がそのまま丸ごと浮く、と言いたいわけではありません。フィルターの手入れや衣類の仕分け、洗濯物を畳む作業などは残りますし、そもそも毎日洗濯しない家庭のほうが多いと思います。
それでも、わずかな時間に見える家事も、繰り返せば無視できない長さになるということは分かります。
「たった10分」ではなく、毎日発生する10分として考える。家電の価値を見るときには、この積み重ねが大切なのだと思います。

洗濯物を干す10分と、自由に使える10分は同じではない
もう一つ、この記事で伝えたいことがあります。
それは、同じ10分でも、その中身は全く同じではないということです。
時計の上では、どちらも同じ10分です。
しかし、洗濯物を干す10分は「今これをやらなければならない」という制約があります。洗濯が終われば、一旦手を手めて動かさなければなりません。ほかのことに集中していても、頭の片隅には「そろそろ洗濯が終わる」という予定が残ります。
一方で、自由な10分は、自分で使い方を決めることができます。この時間は何をしてもいいです。何もしなくったっていいです。とにかく自由な時間になります。
洗濯物を干さなければならない10分と、自由に使える10分は、同じ10分ではない。
同じ長さでも、片方は使い道が決められた時間で、もう片方は自分で選ぶことができる時間です。
ドラム式が生み出す価値は、作業時間を減らすことだけではありません。「次に洗濯物を干さなければ」という小さな予定を、頭の中から一つ消してくれることにもあると感じています。
空いた時間を有効活用しなくてもいい
時短家電の話になると、空いた時間で何かをしよう、もっと生産的に過ごそうという話になりがちです。
もちろん、それは立派な使い方です。年間約61時間もあれば、本を読んだり資格の勉強をしたりと有意義に使うことができるでしょう。
ただ、私は空いた時間を必ず何かの成果に変えなくても別にいいのではとも思っています。
動画の中でも、トーマスさんは次のように話していました。
「その空いた時間をダラダラ過ごしてくれ」
ドラム式を強烈に推し続けてた先に、この言葉が出てくるのが面白いところでトーマスさんの動画を好んでみる理由の一つでもあります。
自由な時間には、何かを生み出す可能性があります。一方で、何もせずに休むこともできる。ぼんやりYouTubeを見たり、少し早く寝てみたり、それもその人の生活を整える大切な時間になります。
また休んだからこそ、次の日にまた頑張れるという側面もあります。
こうした「余白を自分から作る」という考え方については、以前「ヒマは全力で作るもの」という記事でも書きました。
今回はドラム式洗濯乾燥機という家電の話ですが、自分の時間や心に余白を作るという点では、根っこにある考え方はよく似ていると思います。
お金を払って時間を買うというと、「その時間でさらにお金を稼がなければ元が取れない」と考えてしまうかもしれません。しかし、元の取り方は収入だけではありません。
家事に追われている感覚が少し減った。疲れている日に10分休むことができた。少し余裕を感じるようになった。それだけでも、お金を使った意味は十分にあると思います。
それでも、縦型を選ぶ人が間違っているわけではない
ここまで読むと、結局ドラム式を勧める記事に見えるかもしれません。実際、我が家でもドラム式を使っていて現状とても満足しています。生活に欠かせない家電の一つであり人に自信をもっておすすめできます。
トーマスさんの「時間を買う」という主張にも非常に共感をしています。
ただし、トーマスさんの勢いそのままに「ドラム式に自分の生活を合わせろ」とまでは言い切りません(笑)動画というエンタメとしてはこの主張はとても面白くて好きですが、そこまで断言してしまうと、それぞれの家庭の事情を置き去りにしてしまうことでしょう。
洗濯物を干すことが苦にならない人にとっては、その10分を減らす価値は小さいかもしれません。初期費用を抑えることのほうが大切な時期もあります。設置場所や衣類との相性から、縦型と乾燥機を分けたほうが使いやすい家庭もあるでしょう。
また、高額な家電をいきなり購入するのが不安な場合は、家電レンタルを利用してみるという選択肢もあります。必要な期間だけ使いたい人は、レンタルサービスも比較してみるとよいでしょう。
家電レンタルをチェックしてみる|みんなのHappy大切なのは、どちらが絶対に正しいかではありません。
自分は家電にお金を払い、何から解放されたいのか。
そこを考えたうえで選んだのであれば、縦型でもドラム式でも、その家庭にとって納得できる選択だと思います。
家電を「いくらするか」だけでなく「何時間を買えるか」で考える
この考え方は、ドラム式洗濯乾燥機だけに限りません。
食器を洗う時間を減らす食洗機。床掃除を任せられるロボット掃除機。調理の手間を減らす自動調理家電。どれも、家事を機械に代わってもらい、人が自由に使える時間を増やす家電です。
もちろん。どの家電にも手入れは必要ですし、完全に家事がゼロになるわけではありません。だからこそ購入を考えるときは次のように整理すると分かりやすいと思います。
- 1回使うと、自分の作業が何分減るのか
- それを1年間に何回使うのか
- 手入れなど、新たに増える作業はどれくらいあるのか
- 空いた時間を自分で選べることに、どれほど価値を感じるのか
家電の価格を見ると、どうしても「高いか、安いか」の軸で判断したくなります。
しかし、少し高い家電でも、何年にもわたって自分の時間を取り戻してくれるなら、その見え方は変わります。反対に、高機能でも自分の生活ではほとんど時間が減らないなら、無理に買う必要はありません。
「この家電はいくらするのか」だけでなく、「この家電で、私は何時間を買えるのか」
そんな視点を持つと、自分にとって本当に必要な家電が見えやすくなるはずです。
ちなみに今回紹介したトーマスさんは、著書『「ムダ」の省き方』でも、時間やお金、モノなど、日常にあるさまざまな「ムダ」について独自の視点で掘り下げています。
動画と同じく「そこまで言うか(笑)」と思うところもありますが、それも含めてトーマスさんらしい一冊でお気に入りです。
時間の使い方や、普段何気なく続けている習慣を見直してみたい人には、面白く読めると思います。
『「ムダ」の省き方』については、以前ブログでも詳しく紹介しています。気になる方はこちらもどうぞ。
まとめ|ドラム式が売っているのは、乾燥機能だけではない
ドラム式洗濯乾燥機と縦型洗濯機のどちらが優れているかは、家庭の条件や価値観によって変わってきます。
それでも、我が家でドラム式を使っていて感じるのは、ドラム式が売っているのは乾燥機能だけではないということです。
洗濯物を干す作業を減らし、洗濯が終わる時間に生活を合わせなくてよくなる。家電が動いている間、自分は何をしてもいい。その選べる時間にこそ大きな価値があると思います。
1日10分でも、毎日続けば年間で約61時間になります。
そして、洗濯物を干さなければならない10分と、自由に使える10分は同じではありません。
次に家電を選ぶときは、値段や機能と一緒に、「この家電は、自分に何時間を返してくれるだろう」と考えてみるのをおすすめします。
あなたの家にも、「10分だけ」と思いながら、何度も繰り返している家事はありませんか?
さて、選択のときです。
……洗濯だけに。
ではまた。



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