私は、大人数の飲み会があまり得意ではありません。
人数が増えれば増えるほど会話がつまらなく感じるし、大人数の空気感が苦手です。一方で、友達と少人数で話すのは好きで、特に二人きりでご飯を食べながら話す時間が一番楽しいと感じます。
そんな自分の感覚を、あるYouTube動画では「最大公約数」という数学の考え方を使って説明していました。
会話を最大公約数に例えるという着眼点が面白く、これまでなんとなく感じていた大人数の飲み会がつまらない理由を、うまいこと言語化していると感じました。
今回は、そんな「会話の最大公約数理論」について紹介したいと思います。
会話の最大公約数理論とは?
そもそも、会話の最大公約数理論とはどのような考え方なのでしょうか。
簡単に言うと、その場にいる人たちが共通して持っている興味や知識を中心に会話が進んでいくというものです。
この理論で面白いのが、人それぞれの興味や知識を「素数」に置き換えて考えるところです。
例えば、2や3といった小さな素数は、食事や仕事、恋愛など、多くの人が関心を持ちやすい身近な話題を表します。一方で、数字が大きくなるほど、一部の人しか詳しく知らないようなニッチな話題を表します。
| 素数のイメージ | 話題の例 |
|---|---|
| 2・3・5(小さい数字) | 食べ物、仕事、恋愛など、誰でも話しやすい話題 |
| 17(少し大きい数字) | 特定のアーティストやスポーツチームなど、共通の趣味を持つ人が盛り上がる話題 |
| 29・37(大きい数字) | 珍しい趣味や専門的な分野など、限られた人が詳しく知っている話題 |
つまり、人はそれぞれ異なる素数を持っていて、その組み合わせによって一人ひとりの興味や知識が構成されていると考えるわけです。
そして複数人で会話するときには、その人たちが共通して持っている素数、つまり「公約数」にあたる話題が中心になりやすいというのが、この理論の基本的な考え方です。
人数が増えるほど会話の最大公約数は小さくなる?
ここからが、今回の理論で特に面白いと感じた部分です。
数学では、最大公約数を求める数字が増えると、共通する約数が絞られていきます。これを人間の会話に置き換えると、人数が増えるほど全員に共通する話題が少なくなり、当たり障りのない会話になりやすいというわけです。
具体的な数字で考えてみましょう。
例えば、AさんとBさんがそれぞれ次のような数字を持っているとします。
| 人物 | 興味や知識を表す数字 |
|---|---|
| Aさん | 102=2×3×17 |
| Bさん | 170=2×5×17 |
この二人の最大公約数は34(2×17)です。
つまり、食事のような身近な話題だけでなく、17にあたる特定のアーティストの話など、少しマニアックな話題でも盛り上がれることになります。
では、ここにCさんが加わったらどうでしょうか。
Cさんが持っている数字を14(2×7)とすると、3人の最大公約数は2になります。
先ほどまで共通していた17という素数が、Cさんには含まれていないからです。
その結果、二人では盛り上がっていた特定のアーティストの話も、3人全員で話すとなると難しくなります。Cさんも会話に参加できるように、自然と食事などの身近な話題へ移っていくようになります。

これが、会話の最大公約数理論の考え方です。
大人数になればなるほど誰もが参加できる話題が選ばれやすくなるという説明には、納得感がありました。
一対一の会話が一番楽しいと感じる理由
ここまでの最大公約数理論を踏まえると、私が一対一の会話を一番楽しいと感じる理由も少し見えてきました。
二人であれば、お互いに共通する趣味や興味について、周りを気にすることなく深く話すことができます。
先ほどの数字の例でいえば、二人の間で共通している「17」という少しマニアックな話題について、思う存分話せるということです。大人数ではなかなか話題にできないようなことでも、二人なら気兼ねなく話すことができると思います。
また、一対一であればお互いの反応を見ながら自由に会話を進められます。話が盛り上がればそのまま深掘りできますし、そうでなければ途中で別の話題に移ることもできます。大人数のように、全員が会話についてこられるかを気にしながら話す必要もありません。

私にとって一対一の会話が楽しいと感じる理由がここにあるのかなと改めて思いました。
大人数になるほど、知らない世界の話ができなくなる?
人と話すことの面白さの一つに、自分の知らない世界を知ることができるという点があると思います。
自分がまったく詳しくない趣味や仕事の話でも、その分野に詳しい人から話を聞くことで、それまで知らなかった知識や考え方に触れることができます。自分一人では興味を持って調べることすらなかった分野の話を聞けるのは、会話ならではの面白さではないかなと思います。
ところが、今回の最大公約数理論に当てはめて考えると、少し不思議なことが起こります。
大人数になればなるほど、そうした知らない世界の話が出にくくなってしまうということです。
例えば、友達が自分の知らない趣味について話し始めたとします。自分にとっては未知の分野なので、いろいろと質問したくなるかもしれません。しかし、そこに10人も参加していたらどうでしょうか。
その話題に興味がない人もいるし、話している側も、ほかの人を置いてけぼりにしないようにと、マニアックな話題を避けるかもしれません。
結果として、誰もが知っているような無難な話題が中心になっていきます。
本来、人との会話には自分の知らない世界を知る面白さがあるはずなのに、大人数になればなるほど、その機会が失われやすくなってしまうのです。
多くの人が会話に参加できるように配慮するほど、かえって新しい話題が生まれにくくなるというのは、なかなか興味深い話だなと思いました。
少し話は変わりますが、以前読んだ『人は聞き方が9割』という本でも、人の話に耳を傾けることの大切さが紹介されていました。
今回の最大公約数理論とはまた違った視点ですが、会話を「聞く側」から考えてみたい人には、こちらもおすすめです。
まとめ|会話を最大公約数で考える面白さ
今回は、YouTubeで紹介されていた「会話の最大公約数理論」について考えてみました。最後までお読みいただきありがとうございました。
私は以前から、大人数の飲み会よりも、友達と二人きりで話す方が楽しいと感じていました。今回の動画では、そんな自分の感覚を最大公約数という数学的な視点から説明していて、とてもうまく言語化されているなと思いました。
大人数では、誰もが参加できる共通の話題が選ばれやすくなります。それは場を円滑にするための自然な配慮でもありますが、その一方で、自分の知らない世界に触れる機会が減ってしまうのかもしれません。
もちろん、人間の会話を数学だけで説明できるわけではありませんが、普段なんとなく感じていたことが、まったく違う分野の考え方によって言語化されるのは改めて面白いなと思いました。
最大公約数の大きい話をしてみよう。聞いてみよう。
ではまた。

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